12/30 COUNT DOWN JAPAN 0910

会場で待ち合わせしている友達の顔をみたら泣いてしまうんじゃないかと思ってたのだけど、予想に反してくだらない話で盛り上がったり、音楽の話をしたりで、凄く楽しく過ごす。まるでなにもなかったみたい。

開場したら真っ先にアースステージに向かおうと決めてた。それはこのニュースがなくても同じだった。

いつもの場所で開演を待つ。山内さん前の最前。0506のカウントダウンも同じ位置から見たなあ。ステージには機材が既にセッティングされ、いつものようにライブが始まるみたいだった。

途中で志村さんのギターに帽子が置かれる。大阪もそうだったらしいと事前に知ってたからか大きいショックはなかった。

だけれども時間が近づいてくると、急に手が震えた。体の芯からぞわぞわして震えがとまらない。

渋谷さんの挨拶で志村さんの急逝があらためて告げられ、フジファブリックスタッフさんの意向でセットリストも照明も予定どおりに行なうとの説明。
そして、

「志村くんに一分間の黙祷を」

涙が止まらなかった。これが現実なんだ。容赦ないな。嗚咽混じりになってしまいながら手を組んだ。彼のことを思うのに一分間は短すぎた。

ステージ横のスクリーンには、ヤマケンさんが編集したという、過去のひたちなかと幕張の映像がながれ、照明が楽器たちを浮かび上がらせる。

涙が止まらないまま一心不乱に盛り上げる。私にはそうするしかできないって知ってるから。異様な光景だったかもしれない。誰も居ないなんて信じられなかったよ。

何回も何十回も見たフジのライブ。志村さんがギター弾きながら口歪めてうたう表情、山内さんと地平線を越えてで競り合いする姿、楽しそうにジャンプしてるとこ・・・
全部目に焼き付いていて、ステージを見ればまるでそこにいるみたいで、思わず目で追ってた。私達みんなスクリーンじゃなくてステージに向かって手をあげていた。でも誰もいない。なんで?なんで居ないの?こんなんおかしい!そう思うけど身体は音楽に合わせて跳ねるんだよ。

はじめて曲を聴いたライブを思い出したり、

あの時のダンス2000は、こんなだったなぁとか、

変なリズムの取り方だな、また歌詞間違えてるよー、音程危なっかしいなあ、っておかしくて笑った。そのまま涙が出た。

大好きな『星降る夜になったら』の歌詞に心が締め付けられた。こんなに悲しい曲だったっけ。
でもわたしは金澤さんの曲にこんなキラキラな歌詞をつけちゃう志村さんが大好きだよ。最近ずっと聴きたかったのにライブでやってくれなくてさ。今日やってくれるはずだったんだね。歌ってほしかったよ、目の前で。今日、このステージで。

最後は『TEENAGER』。バカみたいに明るくて切ない。「ありがとうございましたー!フジファブリックでした!」って志村さんの声。

でも「また会いましょう!」って言ってくれない。なんだこれ。何なのこれ。ありえない。ばか。

あっという間に終わったよ。グダグダなMCが無いんだもん。
会場は拍手と手拍子と志村コールでいっぱいだったけど私はそれのどれもできなくて、大きい声を出して泣いてた。感情が止められなくて、他のどこにもやれなかった。しばらくその場から動けなかったけど、もうステージでは転換が始まっていて、うしろでは時雨のファンが待っていた。終わるなんて嫌だった。

どうやって歩いたか覚えてないけど、友達の手を握ってよたよた進んだ。同じ気持ちの友達と居られたことは本当に大きかった。ひとりじゃ耐えられなかったと思う。

渋谷さんにも言われたように、フェスを楽しまなきゃ!と思い、見る予定を立ててた他のステージに移動。でもどの曲聴いても志村さんを連想してしまい涙が出た。今までどうやって音楽を聴いてたのか忘れちゃったみたいに体をすり抜けて行く。

何となくスタンプラリーに興じる。完成。ピンバッヂもらう。むなしい。


すごく不安なまま、最後は信頼しているバンド、サカナクションを見に行く。フジがいなかったら、彼らの音楽にも出会わなかっただろう。なぜか、近いものを感じたんだ。身を削って音楽を創り出しているところが似ているんだ。Vo.一郎君も日記で志村さんのことを書いてた。私も、同じステージでずっとずっと見れると思ってた。

一番盛り上がるダンスナンバーで号泣してしまった。今までこんなに優しい歌詞だって気付かなかった。

いつかあの空が僕を忘れたとして その時はどこかの街で君を待つのさ

季節に僕らが積み重ねてきたものは 思い出に立ち止まったまま 冬の花のよう

僕はいたって最後方 思い出したのは君の事
心が何年も何年もかけて染み付いた汚れ 落ちてしまえ

救われた。悲しむことに区切りをつけなきゃいけないって心のどこかで思ってたけど、そのままでいいよっていってくれてるみたいに感じて、音楽に許してもらった気がした。

フジのファンになった時から、これは今見とかないと後悔する!という衝動にかられて遠方のライブまで何度も足を運んで、

バンドに違和感があったときも、まだこんなもんじゃないって、その先の続きが諦められなくて、見続けてきた。本当に志村さんの才能に惚れていた。

無理しなくていいんだよね。すぐどうにかできるわけない。だってこの五年とちょっとの間は本当に濃厚だったから。

今思うのは、志村さんが居なくなったからといって曲が持つ意味が変わってほしくないなということ。
今は仕方ないのかもしれないけど、追悼の意味を込めて流されるフジの曲に違和感があるのです。

お別れでも、お終いでもないよって思うんです。ただただ素晴らしい曲たちなのだから、それを聴いてゆきたいと思うんです。

私にとってフジファブリックと志村さんの存在は今までも特別で、これからも同じように特別であり続ける。

それだけなんです。